ソフトバンクグループ株式会社が巨額の最終赤字を発表するたび、市場には激震が走る。「なぜこれほどの企業が赤字になるのか」「あえて赤字を出しているのではないか」という疑問が渦巻くのは当然だ。だが、その裏側にあるカラクリを解き明かすカギは、企業財務会計と国内の法人税制における節税対策の組み合わせに存在する。
日本国内の税制において、企業が過去に計上した赤字(繰越欠損金)は、将来得られる益金と相殺することが認められている。親会社である同社は、適格再編やグループ内での子会社株式の売却損、配当非課税制度などを巧みに活用し、税金費用を極限まで抑える仕組みを構築してきた。いわゆる「赤字をわざと出している」という見方は、こうした高度な税務スキームによって結果的に法人税支払いが大幅に圧縮されている実態から派生した解釈と言える。