従来の長征3号B(CZ-3B)と比較して、何がこれほどの進化をもたらしたのか。最大の鍵は、環境負荷の大きい毒性推進剤からの脱却と、高効率な液体酸素・ケロシンエンジン「YF-100」の全面採用にある。全高60メートルを超えるこのロケットは、静止遷移軌道(GTO)への打ち上げ能力を約7トンへと一気に引き上げた。
最上段に配された液体酸素・液体水素を推進剤とする極低温エンジンの存在も見逃せない。精度が厳しく問われる静止軌道投入において、極限まで無駄を削ぎ落とした軌道投入シークエンスを確立。これにより、打ち上げられた衛星は自前での軌道修正燃料を節約でき、運用寿命を数年単位で延ばすことが可能になった。