かつては冷酷非情な盗賊団の頭領として描かれていたクロロですが、連載第395話から描かれた流星街の過去編によって、その人物像は根本から覆ることとなりました。
少年時代のクロロは、理知的で読書を愛し、仲間のためにアニメのビデオテープを吹き替えて上映会を企画するような、心優しく快活な少年でした。パクノダ、マチ、ウボォーギン、ノブナガ、フィンクス、フェイタン、フランクリンらと共に劇団を結成し、笑顔に満ちた日々を過ごしていたのです。
その平穏を無残に打ち砕いたのが、劇団の仲間であった心優しい少女サラサの猟奇的殺人事件でした。流星街の外からやってきた誘拐犯・快楽殺人者たちによってサラサは無惨に拷問・殺害され、森の木に吊るされた遺体には犯人からの残虐なメッセージが添えられていました。
世界の理不尽と、流星街の人間が「ゴミ」としてしか扱われない現実を骨の髄まで思い知らされたクロロは、絶望の底で冷徹な決断を下します。それは、「自分たちが世界最悪の悪党になり、流星街に手を出す者を恐怖で縛る抑止力となる」という自己犠牲的な復讐の誓いでした。世界中の凶悪犯がネット上に集まる悪のプラットフォームを作り出し、サラサを殺した犯人を誘き寄せること。これが幻影旅団の結成理由であり、クロロが感情を押し殺して怪物になる道を選んだ原点なのです。