数ある食習慣の中でも、圧倒的な科学的エビデンスを誇るのが「地中海食」だ。ハーバード大学等で疫学研究を重ねてきたカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の津川友介准教授をはじめとする研究者グループは、高品質な油脂を中心とした食生活が循環器系疾患のリスクを著しく低下させると指摘する。
大規模な地中海食研究(PREDIMED試験など)の追跡結果は衝撃的だった。脂肪分の摂取を減らした低脂質食グループよりも、エキストラバージンオリーブオイルやナッツ類をふんだんに摂取したグループの方が、心筋梗塞や脳卒中の発症率が顕著に低かったのだ。健康寿命を延ばすために必要なのは「油を断つこと」ではなく、「上質な油を日常生活の基盤に据えること」に他ならない。