鳥居をくぐり、川沿いの遊歩道を少し進むと、突如として視界に飛び込んでくるのが「龍鎮の滝」です。落差は約4〜5メートルと小規模ながら、滑らかな一枚岩の岩肌を滑るように流れ落ちる水の軌跡は、息をのむほどの美しさを誇ります。
特筆すべきは、エメラルドグリーンに輝く滝壺の透明度です。水底の岩肌や小石がくっきりと透けて見えるほど澄み渡り、日光の差し込む角度によって、深い青緑から鮮やかなコバルトブルーへと神秘的なグラデーションを描きます。この色彩は、周囲の苔むした岩盤と原生林の緑が水面に美しく反射することで生み出される奇跡の光景です。
滝の対岸には小さな祠(本殿)が祀られており、参拝者は川を挟んだ拝所から対岸の神殿と滝に向かって手を合わせる独特の形式をとっています。人工的な柵や華美な装飾が一切ないからこそ、自然そのものが御神体であるという古代日本の信仰の原風景を肌で感じることができます。