臨床の現場においても、評価の軸は明確にシフトしている。米国心理学会(APA)の最新の知見や研究発表では、成人における特定の安心物への依存を、日常生活に支障をきたさない限り「疾患」や「パーソナリティの未発達」とはみなさない。むしろ、個人の感情調節を助ける健全な「外部安全基地」として評価する傾向が強まっている。
一方、日本小児精神神経学会をはじめとする国内の精神医学分野の議論においても、幼少期の愛着行動が大人へ持ち越される現象への理解が進む。過度に恥の意識を煽ることはかえって孤独感を強め、真の不安障害を引き起こすリスクがあると指摘されている。文化的な過剰適応を求められやすい日本社会において、特定物への手触りを通じたセルフケアは、防衛本能として極めて機能的な役割を果たしているのだ。