ヤモリの性別を見分ける際、体長や背中の模様だけで判断するのは困難です。オスとメスの決定的な差は、下腹部から尻尾の付け根(腹面側)に集中しています。確認すべき最重要ポイントは以下の2点です。
① 尻尾の付け根(ヘミペニスの膨らみ)
ヤモリを含む有鱗目のオスには、「ヘミペニス」と呼ばれる一対の交尾器が備わっています。この器官は普段、総排泄孔より後方(尾側)の内部に格納されているため、オスの成体は尾の付け根が左右にぽっこりと2つの山のように大きく膨らみます。一方、交尾器を持たないメスは、胴体から尻尾にかけてなだらかな傾斜を描き、膨らみのないフラットな形状を保ちます。
② 前肛孔(ぜんこうこう)・大腿孔(だいたいこう)の有無と明瞭さ
総排泄孔の少し頭側(後肢の間)には、フェロモンを分泌するための小さな穴が横一列やV字状に並ぶ「前肛孔」が存在します。成熟したオスはこの孔が明瞭なくぼみとして並び、毛穴のように目立つ分泌物が確認できます。メスにも痕跡程度のくぼみが見られる個体は存在しますが、オスのように開口部がくっきりと並んだり分泌物で隆起したりすることはありません。