大上のバディであり、エリート出身の新人刑事・日岡秀一を演じた松坂桃李の変貌ぶりは、観客に鮮烈な衝撃を与えた。第一作の冒頭で見せた、真面目で青臭いコンプライアンス重視の青年像から、大上の常軌を逸した捜査手法に巻き込まれ、次第に男としての業を深めていく過程のリアリティは白眉である。
特に続編『孤狼の血 LEVEL2』で見せた姿は、まさに真骨頂だった。大上の遺志を継ぎ、呉原の裏社会を裏でコントロールする刑事となった日岡は、かつての面影を微塵も感じさせない「狂犬」へと変貌を遂げていた。鋭い眼光、痩せこけた頬、荒々しい立ち振る舞い。松坂桃李はクリーンな好青年のパブリックイメージを完膚なきまでに破壊し、日本映画界を代表する実力派トップランナーとしての地位を完全に不動のものとしたのだった。