日本のエンタメシーンに稲妻を落としたのが、自費1億円を投じて開催したボーイズグループオーディション「THE FIRST」だった。地上波テレビの枠組みにとらわれず、動画配信サービスHuluでの詳細なストーリー展開と、YouTubeでの世界同時配信を戦略的に組み合わせたアプローチは、旧来のメディア構造を鮮やかに跳び越えた。
参加者を振るい落とすのではなく、才能を「育成し、リスペクトする」選考プロセスは視聴者の心を掴み、SNSを中心に巻き起こった熱狂は社会現象へと発展。過剰な演出でドラマを捏造するリアリティ番組の慣習を打ち破り、真摯な音楽への情熱と人間性の成長をありのままに見せる姿勢が、現代の視聴者が求めていた本質的価値と見事に合致したのだ。