1970年代末、日本の音楽シーンに突如として現れた伝説のバンド「INU」。当時、10代の若さでその中心に立ち、剥き出しの言葉と圧倒的な存在感で観客を立ちすくませた。激しいパンクロックのビートに乗せて叩きつけられた言葉の数々は、単なる若者の鬱屈や反抗の域を遥かに超えていた。既存の価値観を打ち砕くその鋭利な感性は、すでに後の文学的覚醒を予感させるに十分な衝撃を秘めていたのだ。
マイクをペンに持ち替えても、その破壊的かつ建設的なエネルギーが衰えることはなかった。音楽活動で磨き抜かれた独特のリズム感と、聴き手の脳裏に刻み込まれる不穏で美しいフレーズ群。それはやがて、原稿用紙の上で唯一無二の文章表現へと昇華されていく。表現の領域を音楽から解体・再構築されたテキストへと滑らかに、しかし劇的に拡張してみせたのである。