近著やドキュメンタリーでも取り上げられる『トランプ:アメリカの賭け』という構図は、まさに現在の国際政治・外交が直面しているリアリティそのものである。従来の多国間協調主義を切り捨て、双務的なディール(取引)のみを重んじる外交手法は、欧州やアジアの同盟国に強烈な不確実性をもたらしている。
外交筋は、防衛費負担の増額要求や安全保障条約の再交渉が同時に突きつけられるリスクを指摘する。経済と安全保障が不可分となった現代において、一つの署名が国際的な軍事・経済協定を一夜にして骨抜きにする危険性を秘めているのだ。