なぜ御幸町通は、数ある京都のストリートの中でもこれほどまでに人々を惹きつけてやまないのでしょうか。その答えは、商業的な過熱感と生活感の絶妙なバランスにあります。大丸や高島屋が立ち並ぶ四条通、あるいは観光客で溢れ返る新京極通や寺町通と平行して走りながら、御幸町通には独特の穏やかな空気が流れています。
都市空間における回遊行動を観察すると、来訪者は寺町通のアーケードでショッピングを楽しんだ後、自然と一本西側にある御幸町通へエスケープする傾向が見られます。道幅は約5メートル前後に保たれており、大型車両の通行が制限されていることも、歩行者にとって心地よいヒューマンスケールを生み出している大きな要因です。町家の格子窓の向こうに最新のエスプレッソマシンが鎮座し、隣には半世紀前の欧州ヴィンテージを扱うショップが看板を掲げる――この新旧のコントラストが、他では味わえない散策の楽しさを生み出しています。