フォント開発のベースとなったのは、デザインの発信拠点として日本のクリエイティブシーンを牽引してきた株式会社アクシスの独自の美意識だ。デザイン誌『AXIS』のためのオリジナル書体を作るという試みは、単なる企業のノベルティや装飾ではなく、新しい「モダン和文サンセリフ」を創出するという壮大な挑戦だった。
欧文のクラシカルなサンセリフ(Sans-serif)が持つ合理的でスマートな佇まいを、いかに日本語の文脈に移植するか。グラフィックデザインの領域において、文字が主張しすぎず、かといって背景に埋もれない絶妙な立ち位置を保つこと。アクシスの志と鈴木氏の技術が融合したことで、伝統的な筆圧のニュアンスを残しながらも、極限まで現代的で無駄のないフォントデザインが誕生したのである。