この病気の正式名称は「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」です。原因となるのは、子供の喉風邪などでよく知られる「A群溶血性レンサ球菌」などのありふれた細菌。普段は皮膚や喉に大人しく存在している常在菌の一種に過ぎません。
しかし、この細菌が何らかの引き金によって血液や筋肉といった、本来は無菌であるはずの組織に侵入した瞬間、牙を剥きます。筋肉を包む筋膜に沿って猛烈なスピードで増殖し、毒素を放出。周囲の組織を次々と破壊し、壊死させていく様子から「人食いバクテリア」という恐ろしい異名がつけられました。