大森家を語る上で絶対に欠かせないのが、兄である映画監督・大森立嗣の存在だ。『まほろ駅前多田便利軒』をはじめ、日本のインディペンデント映画界からメジャー作まで第一線で鋭い作品を送り出す立嗣監督と、大森南朋、そして麿赤兒。この3人が揃う現場や文脈は、日本映画界においても稀有な緊張感と熱量に満ちている。
所属事務所「アパッチ」は、個性豊かな実力派俳優を多数抱えるプロダクションとして知られ、大森南朋のキャリア形成に決定的な役割を果たしてきた。安易な親の七光りに頼らず、愚直に作品と向き合い続けたことで、彼は「麿赤兒の息子」ではなく、一人の孤高の俳優・大森南朋として揺るぎない地位を確立したのだ。