かつて「昭和の鬼刑事」と恐れられ、警視庁捜査一課の象徴的存在でもあった平塚八兵衛。彼が執念を燃やして追い続けたのは、単なる街の犯罪者ではなく、金融システムの核心に鎮座する日本銀行を取り巻く闇だった。平塚は現場に残されたわずかな証拠品から犯人像を炙り出そうと泥臭い聞き込みを重ねたが、捜査が深まるにつれ、国家レベルの巨大な壁に行き当たることになる。
現金輸送車が運んでいた資金の出どころ、そして中央銀行を巻き込んだ資金流出の真実。現場の叩き上げ刑事たちが直面したのは、警察上層部からの不可解な捜査縮小の圧力だった。平塚八兵衛が抱き続けた無念と疑惑は、時代を超えた今もなお、警察機構内部の語り草として囁かれ続けている。