不可解な生物や物体をカメラのフレームに収めようとする人間の執着は、映画やテレビドラマといったエンターテインメント領域にも絶大な影響を与え続けてきた。90年代に世界的ブームを巻き起こした『X-ファイル』は、主人公モルダー捜査官のオフィスに飾られた「I WANT TO BELIEVE」のポスターが象徴するように、不鮮明な一枚の写真が秘めるロマンと恐怖をドラマの核に据えた。
時を経て、ジョーダン・ピール監督の映画『NOPE/ノープ』は、圧倒的な「何か」を撮影して一獲千金やバズを狙う現代人の欲望を恐ろしくも滑稽に描き出した。怪異を完璧な写真・映像として記録しようとする行為そのものが、人間の承認欲求や覗き見趣味と地続きであることを、現代の作品は冷徹に映し出している。