『春よ、来い』の原作・脚本は橋田壽賀子自身であり、ヒロイン・高山春は橋田壽賀子の本名(矢野壽賀子)を投影した自伝的キャラクターです。ドラマは戦前・戦中・戦後の激動期を背景に、女性が社会で自立することの厳しさと脚本家への道を克明に描きました。
大阪で生まれた春は、厳しい家庭環境や戦争の混乱を経験しながらも物語を書く情熱を捨てず、やがて東京の放送業界へと飛び込みます。夫・剛との出会いと結婚、家庭と仕事の両立に悩みながらも国民的人気ドラマを生み出すヒット作家へと成長していきます。
物語のクライマックスでは、最大の理解者であった最愛の夫・剛との死別という過酷な悲劇が訪れます。絶望の淵に沈み筆を折ろうとする春でしたが、周囲の温かい励ましと自らの創作への執念によって再び立ち上がり、孤独を抱えながらも生涯現役の作家として歩み続ける場面で感動の最終回を迎えました。