彼女のキャリアを語る上で絶対に外せない金字塔といえば、フジテレビ系で社会現象を巻き起こした『silent』だ。Snow Manの目黒蓮と共演し、言葉を超えた手話と切ない表情で魅せた愛の物語は、日本中を涙の渦に巻き込んだ。静寂の中で揺れ動く感情を表現した彼女の佇まいは、単なる恋愛ドラマのヒロインという枠を完全に超越していた。
そして、30代を迎えた女性のリアルな葛藤を描いたTBSテレビ系のドラマ『9ボーダー』での演技も記憶に新しい。年齢という節目に直面するヒロインの焦燥感や等身大の悩みを、過度な誇張なしに演じ切った彼女の姿は、多くの同世代視聴者から「自分の物語を見ているようだ」と熱烈な共感を集めた。静の『silent』、動とリアリティの『9ボーダー』――この対極的な作品を見事に成立させる振れ幅こそが、彼女の真骨頂である。