「逆撫で」の正しい読み方は「さかなで」です。辞書的な意味としては、主に以下の2つの側面を持っています。
1つ目は物理的な動作で、「獣の毛並みや人の頭髪などの流れに逆らって撫でること」、あるいは「刃物を毛並みと逆の方向に当てて剃ること」を指します。2つ目が日常会話で広く使われる比喩表現で、「わざわざ相手の感情に逆らうような言動をして、不快にさせたり怒らせたりすること」です。
この言葉の語源は、動物と触れ合う場面に由来します。犬や猫などの動物は、毛並みに沿って頭から背中へと撫でられると心地よさを感じますが、逆に毛先から根元に向かって逆方向に撫でられると、強い違和感や不快感を覚えて威嚇したり怒ったりします。この「相手が嫌がる方向へあえて刺激を与える様子」を人間の心理や対人関係になぞらえたのが、「逆撫で」の始まりです。
実際の文章や会話では、以下のような例文で用いられます。
・「トラブルの釈明に終始したことで、かえって取引先の神経を逆撫でする結果となった」
・「彼が放った無神経な一言は、悲嘆に暮れる遺族の感情を逆撫でしてしまった」
・「正論ばかりを並べ立てても、相手の気持ちを逆撫でするだけだ」
特に「神経を逆撫でする」「感情を逆撫でする」という慣用句の形で使われることが多く、相手がもともと持っていた苛立ちや警戒心をさらに高めてしまう文脈で頻出します。