結論から明かしてしまえば、辞書的に正しい日本語は「うろ覚え」だ。岩波書店が刊行する邦訳辞書の金字塔『広辞苑』を開いても、正式に立項されているのは「うろ覚え」であり、「うろおぼえ【空覚え】確実でない記憶。確かでない記憶」と明確に定義されている。一方で「うる覚え」を引いても、うろ覚えの誤り、あるいは誘導見出しとして扱われるのが一般的だ。
デジタル時代を象徴するポータルサイトのGoo辞書などの検索データを見ても、「うろ覚え」での検索が圧倒的多数を占める。しかし、検索窓に「うる覚え」と打ち込むユーザーも一定数存在しており、誤用と知りつつも耳馴染みの良さから定着してしまっている現状が浮き彫りになる。正解は「うろ覚え」一択なのだが、なぜこれほどまでに「うる覚え」が蔓延しているのだろうか。