ボディビルの長い歴史において、165cm前後の身長は決して不利ではなく、むしろ「密度の悪魔」を生み出す絶好のフレームとされてきた。手足の長さに対して筋肉の付着部位が近いため、筋線維が詰まった強烈な塊感を演出しやすいからだ。
その象徴として今なお語り継がれるのが、黄金期のレジェンドであるフランコ・コロンボだ。アーノルド・シュワルツェネッガーの盟友であり、小柄ながら爆発的なパワーと分厚い胸筋を誇った彼の姿は、名作映画『パンピング・アイアン』に刻まれている。現在ではNetflixなどのストリーミングサービスで気軽に視聴できるが、彼の圧倒的なバルクは現代のトレーニーにとっても理想の到達点と言える。
日本の競技シーンに視点を移せば、絶対的なスターである横川尚隆の存在を外すことはできない。国内最高峰のJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)全日本選手権を弱冠25歳で制し、世界最高峰のIFBB Pro Leagueへと駆け上がった彼の肉体は、まさに165cm前後の骨格が持ち得る極限の完成形だ。コンテスト時の強烈なカットと、オフシーズンに仕込む圧倒的な筋肉の厚みは、サイズ感を超えた迫力で観客を魅了し続けている。