過激とも取れる表現に果敢に挑戦した経験は、彼の俳優としてのキャリアに決定的な深みを与えた。周防正行監督の映画『シコふんじゃった。』で見せた滑稽でありながら一途な若者像は、彼の演技の幅広さを証明し、日本アカデミー賞をはじめとする数々の賞をかっさらった。
その後、自ら企画を持ち込み、アカデミー賞外国語映画賞を受賞するという快挙を成し遂げた『おくりびと』に至るまで、彼の作品選びには一貫した哲学が存在する。死生観や人間の根本的な営みといった、他者が避けたがるテーマにこそ真っ向から向き合う姿勢だ。若き日にタブーとされる広告に挑んだ経験は、まさに名作『おくりびと』を生み出す精神的土壌となっていたと言っても過言ではない。