境内の静けさの中に突如現れる異色の碑がある。「エジソン記念碑」だ。一見すると日本の伝統的な神社とアメリカの発明王トーマス・エジソンには接点がないように思えるが、実は近代テクノロジーの歴史において男山は決定的な役割を果たしている。
19世紀末、白熱電球の実用化に向けて長寿命のフィラメント素材を探し求めていたエジソンは、世界中から集めたサンプルの中で男山周辺に自生するマダケに着目した。柔軟で繊維が密なこの竹から作られたフィラメントは、なんと1000時間以上もの連続点灯を記録し、初期の電球産業を世界規模で急速に発展させる原動力となったのである。境内の一角に立つ記念碑は、文化と技術革新が時代を超えて結びついた劇的な歴史を静かに語りかけている。