長期間に及ぶ福島第一原発廃炉プロジェクトでは、燃料デブリの取り出しなど、今後も極めて危険度の高い作業が控えている。最前線で働く作業員の安全を確保するため、徹底した線量計管理と被ばく線量の記録が行われているが、これが作業員の「稼ぎ」に対する物理的な壁となっている。
労働者の年間被ばく線量には厳格な法令上の上限があり、これに達した作業員は作業を継続することができない。つまり、「長時間働いて残業代で稼ぐ」あるいは「長期間連続でシフトに入り稼ぎ続ける」という選択肢そのものが遮断される仕組みになっている。過酷な防護服を着用しての作業は、夏場には激しい熱中症リスクを伴い、肉体的・精神的な負担は計り知れない。