とりわけ注意を要するのが、血液のがんである悪性リンパ腫だ。リンパ系組織で異常増殖した腫瘍細胞が全身の免疫バランスを著しく攪乱し、頑固な全身性の痒みを引き起こす。患者は「皮膚の内側が焼けるような感覚」と表現することも少なくない。
さらに、がん化したT細胞が直接皮膚に浸潤する「皮膚T細胞リンパ腫」の一種である菌状息肉症などは、初期段階では一般的な湿疹や乾燥性皮膚炎と区別がつきにくい。数か月から数年にわたり湿疹様の赤斑が消えず、次第に皮膚が硬化したり結節(しこり)を形成したりしていくのが特徴だ。単なる皮膚病と自己判断し、受診が遅れるケースが後を絶たない。