長い謹慎期間を経て舞台や映像作品へと復帰を果たした彼は、愚直なまでに作品に向き合う姿勢を貫いた。彼が真価を発揮したのは、父譲りの並外れた身体能力と鋭い目つきを生かした時代劇やアクション映画の現場だ。
名優の息子という偏見を拭い去るかのように、殺陣の型や所作を徹底的に磨き上げた。スクリーンの端に映るだけで画面が引き締まる独特の殺気と佇まいは、日本映画界における異色の存在感を放っていた。殺陣の技術とダイナミズムを重んじるクラシックなアクション映画の精神を守り抜いた功績は、もっと評価されて然るべきだろう。