バブル経済の足音が近づく1980年代半ば、日本の若者文化は劇的な転換期を迎えていた。それまで硬派な情報誌が主流だった男性誌マーケットに、風穴を開ける形で投入されたのが『MEN'S NON-NO』である。大判の美しいビジュアルグラビア、パリやミラノの最新トレンドを消化したスタイリング、そして何より視聴者の目を奪ったのが、圧倒的なスタイルを誇る日本人モデルたちだった。
身長189センチという群を抜いたプロポーションと甘いマスクで一躍スターダムに駆け上がった阿部寛。そして、爽やかな笑顔と親しみやすさで爆発的な人気を誇った風間トオル。彼らが生み出した清潔感溢れる都会的スタイルは、瞬く間に全国の若者のバイブルとなった。当時の編集部には連日ファンレターが山のように届き、誌面で着用された服は瞬く間に店頭から消えたという。モデルという職業が、若者の憧れの職業ランキングトップへと踊り出た歴史的瞬間だった。