国政選挙や地方選挙の開票作業において、毎回のように開票立会人を悩ませるのが「記載の不備」です。前回の参議院選挙における開票データでは、全国で約98万票が無効票として処理されました。この膨大な数の背景には、選挙ごとの「記入ルールの混同」が存在します。
もっとも典型的な誤解が、衆議院選挙と参議院選挙における「比例代表」の書き分けです。衆議院議員総選挙の比例代表では「政党名」しか書くことができません。一方、参議院議員通常選挙の比例代表(非拘束名簿式)では、「政党名」または「名簿登載された候補者個人名」のどちらを書いても有効となります。衆院選の比例用紙に候補者の個人名を書いてしまえば、その投票は無効票として弾かれます。
自治体の選挙管理委員会関係者は現場の様子を次のように証言します。「投票所内の記載台には、必ず目の前に正しい候補者名や政党名の一覧が掲示されています。しかし、慌てて思い込みで記入し、小選挙区の用紙に政党名を書いたり、その逆を行ったりする有権者が後を絶ちません。記載台の掲示を指差し確認するだけで、こうしたミスは完全に防ぐことができます」。