西城秀樹「恋する季節」誕生秘話|ワイルドな17才の衝撃と原点を解剖

西城秀樹「恋する季節」誕生秘話|ワイルドな17才の衝撃と原点を解剖

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シングル「恋する季節」を語る上で欠かせないのが、B面に収録された「愛がほしいのに」の存在です。作詞・麻生たか子、作曲・鈴木邦彦、編曲・馬飼野康二と、制作布陣はA面と同一でありながら、その世界観は驚くほどダークでブルージーなロッカバラードに仕上がっています。

当時の歌謡曲におけるB面(カップリング曲)は、時としてA面以上にアーティストの実験的な試みや本質が色濃く反映される場でした。「愛がほしいのに」において秀樹が聴かせる低音の響きと、サビに向かって感情を剥き出しにしていくボーカルスタイルは、弱冠17歳とは思えない陰影を湛えています。自らの孤独や愛情への渇望を、かすれたハスキーボイスで絞り出す表現力は、すでに一過性のアイドルシンガーの領域を遥かに超えていました。

後年、多くの音楽評論家やレコーディングエンジニアが指摘するように、西城秀樹の真骨頂は「洋楽的なリズムの解釈」にありました。ドラム奏者として培ったタイム感は、日本語の母音をロックのビートに自然に乗せる技術へと昇華されています。「恋する季節」と「愛がほしいのに」という表裏一体の2曲は、ポップな躍動感と泥臭いソウルという、西城秀樹というボーカリストの二大支柱を提示した記念すべきマイルストーンだったのです。

前田 葵
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前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。