集団におけるアイデンティティの形成過程を紐解く上で、ブランド心理学の視点は欠かせない。心理学では「イングループ(内集団)偏向」と呼ばれる現象があり、周囲と同じブランドを所有することで安心感を得ようとする心理が働く。日本におけるZ世代トレンドを象徴していたのは、まさにこの所有による所属意識の獲得だった。
Appleが構築した洗練されたデザインとエコシステムは、若者にとって単なる通信機器を超えたファッションアイテムであり、ステータスシンボルとしての価値を持っていた。しかし、近年のZ世代は「周囲と同じ」であること以上に「自分らしさ」や「効率性」を重んじる傾向を強めている。SNSでのクリエイターカルチャーの発展に伴い、カメラ性能や独自のAI機能を重視して柔軟にデバイスを選ぶ層が確実に増えている。