近年の放送業界における主導権争いは、地上波の世帯視聴率から「配信再生数」へと明確にシフトした。その最前線で激しい火花を散らしているのが、日本テレビとTBSテレビの2大ネットワークだ。両局はターゲット層の設定から配信戦略に至るまで、対照的とも言えるアプローチを見せている。
日本テレビは、Z世代をはじめとする若年層を意識したスピード感のある展開や、SNSでのバズを意図した仕掛けを得意とする。放映終了と同時にTVerでの再生数が急上昇し、関連ワードがXのトレンドを席巻する計算し尽くされた仕掛けが強みだ。
一方のTBSテレビは、重厚な人間ドラマや圧倒的なスケール感を持つ枠を中心に、幅広い層を惹きつける戦略を崩さない。高品質な映像美と綿密な脚本で視聴者を唸らせ、TVerでの見逃し配信でも圧倒的な累計再生回数を叩き出している。放送局の枠を超えたこの切磋琢磨こそが、近年の地上波作品のクオリティを底上げしている原動力だ。