発見後、すぐさま休養を発表し治療に専念。彼を救った治療法は、身体への負担を最小限に抑える「胸腔鏡下手術」だった。開胸手術と比べて傷口が小さく、術後の回復が早い利点がある。とはいえ、呼吸器系を酷使する役者にとって肺の一部を切除することは、声量や体力の低下に直結する大きなリスクを伴う。
術後のリハビリは壮絶を極めた。呼吸法を一から見直し、声を取り戻すための地道なボイストレーニングを連日実施。発病前以上の圧倒的なパフォーマンスを目指す彼の執念は、医療スタッフさえも驚かせた。病の恐怖に屈することなく舞台へ戻るという強い意志が、短期間での奇跡的な完全復帰を実現させたのである。