明治時代に日本へと持ち込まれたウスターソースは、日本の食文化に合わせて独自の進化を遂げた。元来のサラリとした英国風ソースは、ご飯に合わせる揚げ物文化と出会い、より日本人好みのコクと甘みを持つ味わいへと改良されていく。この過程で日本の調味料製造業は目覚ましい進歩を遂げ、洋食という新しいジャンルの確立に大きく貢献した。
なかでもブルドックソース株式会社をはじめとする国内メーカーは、日本人の舌に馴染む和洋折衷のブレンド技術を磨き上げた。ウスターソースの切れ味を残しながらも、醤油文化になじんだ日本人にとって親しみやすい風味を作り出し、日本の家庭料理の定番としての地位を揺るぎないものにしたのである。