SNSや育児系インフルエンサーの発信をきっかけに、「無印良品のパスポートケース(クリアポケット付)を母子手帳ケースとして代用する」という手法が大きなブームを巻き起こしました。リフィルを追加して家計管理や通院セットを自作するこのアイデアについて、機能性と限界の両面を冷静に分析します。
パスポートケースを代用する最大の利点は、バインダー形式によるリフィルの自由なカスタマイズ性です。半透明のEVAクリアポケットを子どもの人数分(1人目用、2人目用など)買い足し、ジッパー付きポケットごとに「診察券・保険証・手帳・医療証」を完全に区分けしてファイリングできます。お金の管理と同じ感覚で、「長男の通院」「長女の耳鼻科」とラベリングできるため、視覚的な分かりやすさは既製の母子手帳ケースを凌駕する部分があります。
しかし、ここには見落としてはならない決定的な構造的落とし穴が存在します。パスポートケースは本来、パスポートや航空券といった薄い書類を収める設計のため、ケース自体の横幅が約13cmと細身に作られています。そのため、Sサイズ(A6版)の手帳であればギリギリ収まるものの、Mサイズ(B6版)の手帳を入れると幅が完全にオーバーし、ファスナーを閉めることが不可能になります。さらに、乳幼児健診で配布される大判の問診票や別冊券を二つ折りにしても入らない場合があり、結局別のファイルを持ち歩く二度手間になる危険性があります。「A6サイズの地域かつ、持ち物を最小限に薄くまとめたいミニマリスト」以外には、安易な代用は推奨できません。