被災直後、現地に駆けつけた日本赤十字社の救護班は、極限状態のなかで医療活動を展開した。停電と資機材の不足、寸断された交通網という悪条件の下、限られた生命維持装置や保温設備をどのように分配するかという凄惨な選択を迫られた。小児科医や救護隊員たちが直面したトリアージの葛藤は、言葉に尽くしがたい。
医療関係者の証言によれば、低体温症に陥った乳幼児を救うための十分な設備がないまま、命の灯火が消えていくのを見守るしかなかった瞬間があったという。日本赤十字社が蓄積した災害医療の課題は、現在の広域災害対策や周産期医療体制の再構築に多大な影響を与えている。