一口飲んだ瞬間に広がる米の膨らみと、直後に訪れる澄み切ったキレ。この相反する要素が見事に同居する理由は、原材料米の選定と仕込みへの執念にある。一般的に酒造りでは山田錦や雄町といった酒造好適米が好まれるが、ここで主役に抜擢されたのは飯米であるササニシキだ。
ササニシキは硬質でさばけが良く、すっきりとした甘みとキレを生み出す特性を持つ。しかし、醸造においては米が割れやすくコントロールが極めて難しい。雑味を出さずに米のポテンシャルを極限まで引き出す技術こそが、名醸蔵の真骨頂。とりわけ人気を博す「特別純米酒 超辛口」は、単に辛いだけでなく、米の豊かな味わいがベースにあるからこそ飲み飽きない。日本酒造組合中央会が推進する伝統的な酒造りの技法を守りつつ、進化を続ける姿勢が一杯のグラスに凝縮されている。