訴訟終結を経てもなお、松本氏の地上波本格復帰にはスポンサー対応や世論の合意形成といった多段階のハードルが残されています。そうしたなか、水面下で現実味を帯びて囁かれているのが「4代目局長への正式交代論」です。
業界内で有力な後任候補として名前が取り沙汰されているのは、主に以下の4つの系統です。
候補1:今田耕司・東野幸治(吉本興業の重鎮ライン)
関西の笑いを熟知し、全国区の知名度と卓越した司会力を持つ2人。特に東野氏は過去に探偵を務めていた経歴もあり、番組の文脈を完全に把握しています。しかし、両名とも松本氏への敬意が極めて強く、「松本さんの椅子を奪う形での就任は受けないのではないか」という心理的障壁が指摘されています。
候補2:カンニング竹山・石田靖(探偵OB・現役昇格ライン)
探偵としての長年の功績を讃え、内部昇格させるプランです。番組ファンからの反発が最も少なく、現場の混乱も最小限に抑えられます。ただし、初代や2代目が持っていた「絶対的な権威・大御所感」という観点では、ややスケールダウンが否めないという局内の慎重論もあります。
候補3:大御所俳優・文化人枠(2代目・西田敏行路線の継承)
お笑い芸人ではなく、人間味あふれる大御所俳優(例えば段田安則氏や生瀬勝久氏など、関西にゆかりのある実力派俳優)を据えるルートです。芸人同士の内輪ノリを排し、市井の人々の喜怒哀楽に純粋に共感する「泣きのナイトスクープ」を復権させる意図が働きます。
ABCテレビ関係者によると、4代目の選任が長引いている最大の要因は、「松本氏の処遇が最終決定する前に新しい看板を立てることができない」という仁義と契約上の問題にあります。現在も暫定体制が続いているのは、決断を先送りしているのではなく、あらゆる選択肢を保留せざるを得ないメディア特有の力学が働いているからです。