当時の『行列のできる相談所』を記憶している人なら、二人の掛け合いが単なる演出を超えた本物の熱量を持っていたことを覚えているだろう。論理を極限まで突き詰め、時に愚直なまでに正義感を前面に出す北村晴男。対照的に、卓越したレトリックと世論の空気を瞬時に察知する直感力で場を支配した橋下徹。スタイルの違いは、すでに当時の番組内における法律・政治討論の随所に溢れ出ていた。
番組スタッフの証言によれば、VTRが終わった瞬間のスタジオの緊張感は異様だったという。カメラが回っていない時でさえ、二人は提出された事例の法的解釈や倫理観を巡って議論をやめなかった。茶化し合いの裏側にあったのは、法曹界に身を置く者同士の強いプロ意識と、絶対に譲れない価値観の衝突だったのだ。