日本を代表する巨大社寺の動向も見逃せない。東京都心に広大な人工林を擁する明治神宮や、千本鳥居が世界的なアイコンとなった京都の伏見稲荷大社は、国内外から膨大な人を惹きつける観光・ツーリズムの最前線に立っている。世界中から旅行者が押し寄せる光景は、もはや日常的な風景となった。
しかし、きらびやかな観光地としての喧騒から一本脇道へ入れば、そこには地域住民が毎朝手を合わせる静かな祠が存在する。グローバルな観光需要を受け止める大社と、地域コミュニティの記憶を留める名もなき神社。この重層的な共存こそが、日本の宗教空間が持つ最大の魅力であり、外国人旅行者をも魅了する理由なのだ。