本作の旗振り役であるスティーヴ・マックィーン監督は、自身もロンドンのカリブ系コミュニティで育った当事者だ。彼が長年温めてきたこの企画は、公衆の記憶から消し去られようとしていた英黒人史の秘話を、容赦ないリアリティとともに光の当たる場所へと引きずり出した。
タイトルの由来は、ボブ・マーリィの楽曲でも知られるジャマイカの古いことわざ「大きな木も、小さな斧で切り倒せる」にある。巨大な国家権力や構造的差別という大木に対し、市井の人々がいかに抵抗の斧を振るったのか。監督がスクリーン越しに突きつける問いは、時代を超えて私たちの胸を揺さぶる。