この一帯が持つ最大の魅力は、層の厚い歴史・伝統文化の積層構造にある。かつて室町幕府を開いた室町将軍の足利義満は、この地に「花の御所」を構え、政治と文化の中心地として発展させた。今も広大な境内を誇る相国寺はその時代の名残であり、静寂な回廊を歩けば当時の権勢が偲ばれる。
一方で、明治維新後の近代化を牽引した新島襄が創立した同志社大学の敷地内には、国の重要文化財に指定された赤レンガ造りの洋館群が並ぶ。中世の武家文化と近代のキリスト教主義教育が隣り合わせで存在する風景は、他では決して見られない独特の美意識を醸し出している。