「別人のように写るプリクラは、後で見返すと少し気恥ずかしい」。都内の高校に通う17歳の少女はそう明かす。かつては顔のパーツを極端に補正することが「映え」の象徴だった。だが、現代の若者が求めるのは完璧な仮想の姿ではなく、リアルな余白と質感だ。
背景には、韓国発のセルフ写真館の流行や、2000年代初頭のカルチャーを再解釈するY2Kカルチャーの浸透がある。あえて無骨なライティングやモノクロ調のシビアな画角を面白がる感覚が、10代から20代の間に定着した。人工的に作られた可愛さよりも、その場の空気感や偶然の表情を記録することに価値が見出されているのだ。