鞍馬山を語る上で欠かせないのが、鼻が高く羽団扇を持った姿で知られる「鞍馬天狗(僧正坊)」と、平安末期の英雄・源義経(幼名・牛若丸)の伝説です。鞍馬寺に伝わる魔王尊は、650万年前に金星から地球の救済のために降臨したと伝えられており、その人知を超えた姿や山岳修行者の険しい姿が、後世に天狗伝説へと転じたと考えられています。
平治の乱で父を失った牛若丸は、7歳で鞍馬寺に預けられ「遮那王(しゃなおう)」と名乗って東光坊で暮らしました。夜な夜な僧坊を抜け出し、奥の院の谷底で天狗を師として剣術や兵法を学んだという武勇伝は、能や歌舞伎をはじめとする数多くの古典芸能に描かれています。
現在も境内には、牛若丸が喉を潤したと伝わる「息つぎの水」や、奥州平泉へ下る際に名残を惜しんで背を比べた「背比べ石」など、歴史の息吹を間近に感じられる史跡が点在しています。歴史ファンにとっても見逃せないスポットが凝縮されています。