渋谷サクラステージの全面オープンにより、桜丘町のアクセシビリティは劇的に改善された。駅からの移動経路が立体的なペデストリアンデッキで直結したことで、かつて「行きづらい」と敬遠されがちだった坂の上エリアへの人流が急増。しかし、そこで展開されているのは、どこにでもあるチェーン店ばかりの画一的な商業空間ではない。
巨大複合施設の足元や近隣の路地には、個人のこだわりが詰まった独立系カフェが生き生きと営業を続けている。近代的な高層ビルの直線的な建築美と、昭和期から続く雑居ビルの温かみのある質感。この新旧の物理的・感覚的なギャップこそが、現在の桜丘を歩く最大の醍醐味と言える。