学校に行けなくなる体調不良の背景には、主に以下のような身体疾患・心身症・精神疾患が存在します。それぞれの特徴と症状の現れ方を正しく把握することが、早期回復の第一歩です。
1. 起立性調節障害(OD)
思春期の中学生・高校生に極めて多く見られる循環器系の自律神経機能不全です。朝起きられない、立ちくらみ、午前中の強い倦怠感が主症状で、重症化すると午前中は意識が朦朧として起き上がることすら困難になります。中学生の約10%に軽症以上の症状が見られるとされ、決して珍しい病気ではありません。
2. 適応障害
学校内の人間関係、過度な校則、部活動のプレッシャー、学業不振など、特定のストレス要因が明確な場合に発症します。学校に行こうとすると強い不安や動悸、涙が止まらなくなるといった情動症状と身体症状が同時に現れるのが特徴です。ストレス因から離れる休日や放課後には症状が軽減する傾向があります。
3. 過敏性腸症候群(IBS)
器質的な異常がないにもかかわらず、登校前や通学電車の中で耐え難い腹痛や下痢、激しい便秘、ガス症状を繰り返します。「脳腸相関」と呼ばれる脳と腸の神経ネットワークの過敏反応が原因で、通学や集会に対する予期不安が症状をさらに悪化させる悪循環に陥りやすい疾患です。
4. 子どもの自律神経失調症・身体表現性障害
言葉でストレスをうまく言語化できない子どもが、原因不明の微熱(心因性発熱)、頭痛、めまい、過呼吸などを発症する状態です。「学校を休むと熱が下がる」という現象も、仮病ではなく自律神経の過剰な緊張が解けたことによる生理的な反応です。