彼らのキャリアを語る上で欠かせない代表曲が、メジャー第2弾シングルとして世に放たれた『ジェットにんじん』だ。ガレージロック的な歪んだギターリフと、一度聴いたら頭から離れないポップな中毒性。一見すると不可解なタイトルでありながら、ライブハウスの床を揺らす圧倒的なエネルギーを秘めていた。
そして同年秋、彼女たちの評価を決定づける名曲『こいのうた』がリリースされる。切なさが胸を締め付ける旋律と、飾らない言葉で綴られた片思いの情景。静けさの中から込み上げる感情の起伏を描いたこのバラードは、発売から四半世紀近くが経った今もなお、数多くのアーティストにカバーされ、カラオケの定番曲として歌い継がれている。『ジェットにんじん』の破天荒な疾走感と、『こいのうた』の持つ純度高い叙情性。この振り幅の広さこそが、バンドの底知れない底力であった。