イタリア語の「Mamma mia」をそのまま分解すると、「Mamma(お母さん)」と「mia(私の)」という2つの単語に行き着く。つまり、日本語で言えば「私のお母さん!」や「おふくろ!」というごく身近な身内を呼ぶ言葉だ。しかし、なぜこれが「大変だ!」「まさか!」という驚きの表現になるのだろうか。
その背景には、イタリア社会における根強い家族愛と、カトリック文化に基づく聖母マリア(Virgin Mary)への信仰が複雑に絡み合っている。ピンチに陥ったときや突発的な出来事に遭遇した際、イタリア人は無意識のうちに自分を育んでくれた実の母親、あるいは慈悲深い聖母マリアに助けを求める。言わば、日本人が慌てたときに「お袋!」と叫んだり、英語圏で「Oh my God!」と叫ぶのと全く同じ心理メカニズムなのだ。