世界的な潮流を見ると、金銭の授受を伴う「商業的代理出産」を禁止する国が主流を占めています。
フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの欧州諸国では、人間の尊厳を理由に代理出産全般を法律で全面禁止しています。一方、イギリス、オーストラリア、カナダなどでは、実費弁償のみを認める「利他的代理出産」に限定して法制化が進められています。金銭的な報酬を伴う商業的代理出産を法的に広く認めているのは、アメリカの一部の州やジョージアなどに限られます。
倫理的な議論の中心にあるのは、「女性の身体や生殖能力の商品化」と「子どもの福祉」です。経済的に困窮した途上国や貧困層の女性が報酬目当てに代理母を引き受けさせられる「生殖搾取(子宮の搾取)」への批判は根強く、国連や人権団体も人身売買に繋がりかねないリスクとして懸念を表明しています。