坂東三津五郎さんの訃報がこれほどまでに世間に衝撃を与えた背景には、幼少期からの盟友であった十八代目中村勘三郎さんの存在があります。2012年12月、勘三郎さんが食道がんの手術後に急性呼吸窮迫症候群(ARDS)により57歳で急逝した際、三津五郎さんは葬儀で震える声で弔辞を読み上げました。
「あいつの分まで僕が歌舞伎を背負っていく」──そう固く誓い、友の遺志を継いで歌舞伎界の先頭に立とうとしていた矢先の闘病発覚でした。勘三郎さんの死からわずか2年2ヶ月後、まるで後を追うかのように旅立った盟友の死に、関係者やファンは言葉を失いました。
三津五郎さんの通夜・告別式には、歌舞伎関係者をはじめ各界から数千人が参列。盟友を相次いで失った歌舞伎界の深い喪失感とともに、テレビや新聞の追悼ニュースでは二人が競い合い、高め合ってきた数々の名舞台が繰り返し特集されました。